菊芋を食べてはいけないのはどんな人?菊芋の効果・効能を解説!

菊芋とは、その高い機能性やおいしさから、スーパーフードとして最近じわじわと人気が出てきている野菜です。

菊芋の名前の由来は「花が菊、根が芋」に似ているからという理由でつけられました。見た目は生姜に似ています。

しかし、菊芋を食べてはいけない人がいると言います。

今回は、菊芋についてどんな野菜なのかや効果・効能、調理や保存のポイント、食べてはいけない人はどんな人なのかなどをまとめました。

菊芋ってどんな野菜?

菊芋は、日本の伝統的な野菜でありながら、近年では健康食材としても注目されています。その栄養価の高さと豊富な健康効果から、多様な料理に利用され、さまざまな美味しい食べ方が楽しまれています。

名前:菊芋(きくいも)

科学名:Helianthus tuberosus

別名:オーレンジ・ジャガー、日本での一般的な呼び名は「菊芋」

分類:キク科キク属の多年草

原産地:北アメリカ

栽培地:主に日本の北海道や東北地方

病気や害虫に強く無農薬栽培も可能なので、日本では全国で栽培されています。

味にはクセがなく、同じキク科のゴボウに似た風味があります。生ではシャキシャキしていて、加熱するとホクホクになります。

ジャガイモの芽のように毒性を心配する方もいらっしゃるかもしれませんが、菊芋には、茎・葉・実・芽のすべてにおいて毒はありません。

菊芋の栄養価

菊芋は、豊富な栄養素が含まれた健康食材です。特に水溶性食物繊維や不溶性デンプンが豊富で、腸内環境の改善と便秘の予防に効果的です。

さらに、ビタミンやミネラル、ポリフェノールなどの抗酸化物質も含まれており、体に有害な活性酸素を取り除きます。免疫力の向上や美容・美肌効果に期待が持たれています。

また、菊芋は100gあたり34.9kcalと低カロリーであるため、ダイエット中の方にもおすすめです。イモ類のじゃがいも(76kcal)やさつまいも(131.9kcal)より低カロリーです。

主成分であるイヌリンという物質は、糖質の代わりに摂取することで血糖値の急上昇を抑える効果もあり、糖尿病予防にも役立ちます。さらに、体の糖化・老化を防ぎます。

ナトリウムを排泄する効果のあるカリウムも豊富なため、血圧や血糖が気になる方にもおすすめです。

菊芋に毒性や副作用はある?

菊芋は食物繊維や不溶性デンプンが豊富に含まれているため、大量に摂取すると消化器系に負担をかけることがあります。初めて食べる場合は少量から始めて、自身の体質に合った摂取量を見極めるようにしましょう。

菊芋の過剰摂取による症状は、腹痛や下痢、吐き気や頭痛などの症状があります。

健康上の理由から菊芋を摂取する場合は、専門家の意見を仰ぐことをおすすめします。

全体的に見て、適量を摂取する限りでは健康に害はなく、むしろ様々な栄養素を補給できる有用な食材であると言えます。

菊芋を食べてはいけない人

キク科アレルギーの人

菊芋は健康に良いとされる食材ですが、キク科アレルギーの人は注意が必要です。キク科植物に過敏な方は、菊芋を食べることでアレルギー反応が起こる可能性があります。

キク科植物には、アレルギー反応を引き起こす成分が含まれており、菊芋もその一部です。症状としては、口の中や喉のかゆみ、腫れなどです。ひどい場合はアナフィラキシーショックを起こすこともあります。摂取する際には十分に注意し、アレルギーの症状が出た場合は摂取を中止し、直ちに医師の診断を受けることが大切です。

一方で、キク科アレルギーでない人は、適切な量を摂取することで、菊芋の豊富な栄養素を取り入れることができます。

イヌリンアレルギーの人

菊芋にはイヌリンという食物繊維が豊富に含まれていますが、イヌリンアレルギーの人は注意が必要です。イヌリンアレルギーの方は、菊芋を摂取することでアレルギー反応が起こる可能性があります。

イヌリンは、一部の人にとって消化しにくい性質があり、特に胃腸が敏感な方やアレルギーを持つ方には症状が現れることがあります。食べ過ぎるとお腹が緩くなったり、胃腸にガスがたまって膨満感を感じる事があります。

菊芋に含まれるイヌリンは、便秘の改善や血糖値のコントロールに効果的ですが、アレルギーのある方は摂取を控えるか、医師に相談してから食べるようにしましょう。

妊娠中・授乳中の女性

妊娠中および授乳中の女性は、菊芋を摂取する際に注意が必要です。菊芋にはイヌリンと呼ばれる食物繊維が豊富に含まれており、これが消化されにくい性質を持っています。このため、消化管で発酵する際にガスが発生し、腹部の膨満感や腹痛などの不快な症状を引き起こすことがあります。

妊娠中および授乳中の女性は、消化器系の変化やホルモンバランスの影響を受けやすいため、これらの症状が不快感を増す可能性があります。したがって、菊芋を摂取する際には、適量を守り、体調に注意を払うことが重要です。

妊娠中や授乳中の場合、栄養バランスを考慮し、他の食材や食品で必要な栄養素を摂取することが優先されます。菊芋を摂取する場合は、適量を守りつつ、不快な症状が出た場合には摂取を控えるか、医師や管理栄養士に相談することがおすすめです。

菊芋の効果・効能

①整腸効果

菊芋には豊富な食物繊維が含まれており、その主成分であるイヌリンが整腸効果をもたらします。イヌリンはプレバイオティクスの一種で腸内の善玉菌のエサとなり、腸内環境を整える働きがあります。

ビフィズス菌や酪酸などの善玉菌を増やすことで腸内のバランスが整い、悪玉菌の増殖を抑える効果も期待できます。結果として、便秘の予防や便通改善に効果的です。慢性便秘の方への実験でも、腸内環境が改善したという結果があります。

また、整腸効果により、消化器系の働きがスムーズになり、食べ物の吸収も促進されます。血糖値の上昇を緩やかにする効果もあるため、糖尿病予防にもなります。

②血糖値の上昇抑制効果

菊芋に含まれる成分の一つであるイヌリンは、血糖値の上昇を抑制する効果があります。イヌリンは消化されにくい食物繊維の一種で、水に溶けるとゲル化して糖質を包むので、糖がゆっくりと消化・吸収されることで血糖値の急激な上昇を防ぐ働きがあります。

血糖値が急上昇すると、膵臓がインスリンを大量に分泌して調整しようとしますが、長期的にこれが続くと糖尿病のリスクが高まる可能性があります。菊芋に含まれるイヌリンは、血糖値の上昇を緩やかにするため、糖尿病やその他の生活習慣病の予防にも効果的です。

さらに、血糖値の急激な変動を抑えることで、空腹感や甘いものへの欲求を抑える効果も期待できます。食後の血糖値の急上昇を防ぎ、食事のコントロールにも役立つ健康効果があるとされています。

③むくみ予防、血圧調整効果

菊芋にはむくみ予防や血圧調整に役立つ効果があります。これは、菊芋に豊富に含まれるカリウムが関係しています。カリウムは余分な塩分を体外に排出し、体内の水分バランスを整える効果があり、むくみを防ぐのに効果的です。

また、カリウムは血圧を調整するために重要なミネラルです。適切なカリウム摂取により、ナトリウムと均衡を保つことで血管の収縮を緩和し、血圧の上昇を抑制します。これにより、高血圧の予防にも貢献します。

さらに、菊芋に含まれる食物繊維も血圧の調整に役立ちます。食物繊維は腸内の善玉菌のエサとなり、血圧を下げる効果があります。

むくみや高血圧に悩む方は、菊芋を日常の食事に取り入れることで、体内の水分バランスを整え、血圧のコントロールに役立てることができます。

菊芋を食べる際のポイント

あく抜きが必要?

菊芋は生で食べれますが、あく抜きが必要なことがあります。菊芋にはアクが含まれており、そのまま食べると苦味やえぐみを感じることがあります。この苦味やえぐみは水にさっとさらす事で和らげることができます。

あく抜きの方法は、菊芋を薄切りにして水にさらします。水にさらす場合は、約15分ほど漬けてから水を交換してさらに数回繰り返します。イヌリンは水溶性なので、長く水につけておくと流れ出てしまいますので短時間で済ませましょう。

ただし、菊芋の品種やサイズによっては苦味が少ないものもあります。苦味に敏感な方や苦味を楽しまない方は、あく抜きを行ってから調理すると良いでしょう。

皮ごと生で食べられる

菊芋は皮ごと生で食べることができますが、食べる際には注意が必要です。菊芋の皮は食物繊維が豊富で、栄養価が高い一方で、アクが含まれており苦味がある場合があります。

苦味に敏感な方や、苦味を避けたい方は、皮をむいてから調理することをおすすめします。皮をむく際は、ピーラーや包丁を使って丁寧に取り除くことで、苦味を軽減することができます。

一方で、苦味が気にならない方や、皮の食感を楽しみたい方は、皮ごと生で食べることができます。その場合の下処理は、泥をよくこすり落とすだけでOKです。

掘りたての菊芋はシャキシャキとしているので、生のまま食べれるサラダや和え物にするのがおすすめです。

加熱しても栄養価は変わらない?

菊芋は加熱しても栄養価が変わらない食材です。一般的に、野菜は加熱によって栄養素が失われることがありますが、菊芋は例外的に加熱に強い性質を持っています。しかし、茹でると水溶性のイヌリンは抜けてしまうので、茹で汁は捨てずに使いましょう。

菊芋には豊富なオリゴ糖などの食物繊維やビタミンC、ミネラル、イヌリンなどが含まれており、これらの栄養素は加熱によって壊れにくい特性があります。そのため、生で食べるだけでなく、加熱調理しても栄養価をしっかりと摂取することができます。

加熱調理法としては、蒸す、煮る、焼く、炒めるなどがあります。どのような調理方法を選んでも、菊芋の栄養が損なわれることはほとんどありません。

おすすめなのは、スープや味噌汁など汁ごと食べれるメニューです。

カビが生えやすい

菊芋は、特に保存時にカビが生えやすいという特徴があります。これは、菊芋の根茎が地下に成長し、土中に微細な土粒子が付着しやすいためです。この土粒子にはカビの胞子が含まれていることがあり、それが菊芋に感染源となります。

したがって、菊芋を保存する際には以下の点に注意が必要です。まず、収穫後、土をよく落とし、水で洗浄して根茎の表面から土や微粒子を取り除きます。次に、湿度を適切に管理し、風通しが良く、通気性のある場所で保存します。新聞紙やキッチンタオルなどで包み、ポリ袋に入れ、冷蔵庫に入れるといいでしょう。湿度が高いと、カビの繁殖が促進されますので、適度な湿度を保つことが大切です。また、菊芋同士が触れ合わないように、隙間をあけて保管することも重要です。

一日の摂取量は?

菊芋の1日の摂取量は、約20g程度とされています。一般的な野菜の摂取目標は、1日に300g程度とされていますが、菊芋もその一部として取り入れることができます。

菊芋は栄養価が高く、食物繊維やビタミン、カリウムやカルシウムなどのミネラルが豊富に含まれていますが、過剰な摂取は消化器系に負担をかける可能性があります。

特に初めて摂取する場合は、少量から始め、体の反応を確認することがおすすめです。

菊芋のおすすめの食べ方

サラダや和え物

菊芋は多くの料理に活用できる優れた食材です。千切りにするのも、スライスするのも、小さいサイコロ型に切るのもいいでしょう。

特に、サラダや和え物においてはそのユニークな風味と食感が際立ちます。菊芋をサラダに取り入れる際には、皮を剥いて薄切りにし、新鮮な野菜と一緒に混ぜるとハリハリとした食感を楽しめます。その後、お好みのドレッシングで和えると、菊芋の爽やかな甘みが引き立っていいですね。

和え物に用いる場合も、菊芋を薄切りにして、他の具材と一緒に炒めたり、煮込んだりすることができます。その際、菊芋の食物繊維とビタミンが料理に豊かな風味をもたらします。

オリーブオイルやえごま油、などの油と相性がいいですし、ごま、海苔、キムチなどの食材や調味料と合わせて試してみて下さい。

炒め物

菊芋は炒め物に使うと美味しさが際立ちます。和風の炒め物、洋風の炒め物、クミンやガラムマサラの様なスパイスを加えるエスニックな炒め物、何でも合います。

菊芋を調理する際は、まず皮を取り除き、薄切りにします。これにより、食材が均等に炒めやすくなります。

炒め物のアイデアとして、ごま油を熱したフライパンで、にんにくと一緒に炒め始めましょう。香りが広がったら、菊芋を加え、軽く焼きます。次に、しょうゆや酒、蜂蜜を加え、絡めて炒め続けます。菊芋は食物繊維が豊富で、この調理法ではその食感が引き立ち、香ばしさと甘みが凝縮されます。

炒め物に菊芋を取り入れることで、食事のアクセントになり、栄養価も高まります。是非、炒め物のレパートリーに菊芋を加えて、新しい味覚の発見を楽しんでみてください。

洋風

菊芋は洋風の料理にも素晴らしいアクセントを加えます。マッシュポテト、ロースト、フライ、スープ、グラタンなどのメニューに合います。

洋風の菊芋のおすすめの食べ方として、ローストポテトの代替として利用することができます。菊芋を皮をむいて、一口サイズに切り、オリーブオイル、塩、こしょうで調味します。これをオーブンで焼くと、外側はカリッと、内側はほくほくとした食感に仕上がります。菊芋の独特の風味が、ポテトとは異なる舌ざわりを楽しませてくれます。

また、菊芋はクリームスープにも最適です。菊芋を薄切りにし、玉ねぎやニンニクと一緒に炒め、鶏がらスープや野菜スープで煮ます。その後、ミキサーやフードプロセッサーで滑らかになるまでブレンドし、クリーム状にします。菊芋の自然な甘みとクリームの組み合わせは、洋風の味わいを楽しむ絶好の方法です。

洋風の料理に菊芋を取り入れることで、新しい味覚を発見し、栄養価も向上させることができます。是非、これらのアイデアを試して、菊芋の魅力を堪能してみてください。

漬物

菊芋を美味しく楽しむ方法の一つは、漬物にすることです。菊芋の漬物は、その独特の風味と食感を引き立てる絶好の方法です。漬ける前に、菊芋を薄切りにし、塩で軽くもみます。これにより、余分な水分が抜け、シャキシャキとした食感が生まれます。その後、漬物用の調味液を用意し、菊芋を漬け込みます。

漬物用の調味液には、醤油、酢、砂糖、唐辛子などを使って、菊芋に旨みと風味を加えます。菊芋の漬物は、独自の甘辛さとピリッとした辛さが絶妙に組み合わさり、ご飯のお供として最適です。

漬物は保存性も高く、長期間楽しむことができます。菊芋の風味が徐々に広がり、漬物独特の味わいを堪能できます。是非、菊芋の漬物を試して、新たなおいしさを発見してみてください。

まとめ

菊芋は栄養価が高く、整腸効果や血糖値の上昇抑制、むくみ予防、血圧調整に役立つ食材です。

アクを取るか、皮をむくかは個人の好みや体調に合わせて選びましょう。

生でも加熱しても栄養価は変わらないため、様々な調理法で楽しむことができます。

ただし、イヌリンアレルギーの方は注意が必要です。

適量を摂取し、バランスの取れた食事に取り入れることで、菊芋の健康効果を最大限に活用しましょう。

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